私は長年の間苦悩した結果ようやく自分のつるはしをがっちりと鉱脈に掘り当てたような気がしたのです。
夏目漱石私の個人主義」(1914)
これは福沢という正体が現れては、たった一発と、安い気はしない
福沢諭吉福翁自伝」(1899)
底のきれいでない水に映る月は曇らないはずはないのだからね
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(26 常夏)」(1914)
娘は、赤いろうそくを、自分の悲しい思い出の記念に、二、三本残していったのです。
小川未明赤い蝋燭と人魚」(1921)
地上の運命と、それに対する知恵とに目覚めたのであった。
倉田百三愛と認識との出発」(1921)
私はだれよりもあなたが好きなのだから、あなたのことばかりがこんな時にも思われる。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(14 澪標)」(1914)
もうあとへは退けない気になっていて、再び情火を胸に燃やしながら心をこめた手紙を続いて送っていた。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(20 朝顔)」(1914)
私が疑うということから私は有るということが帰結する。
デカルト省察」(1641)
私は議論をして、勝ったためしがない。
太宰治魚服記」(1933)
なかなかに折りやまどはん藤の花たそがれ時のたどたどしくば
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(33 藤のうら葉)」(1914)
若い二人の恋が愈いよいよ人目に余るようになったのはこの頃であった。
田山花袋蒲団」(1907)
あなたが生んだという賢一郎は二十年も前に築港で死んでいる。
菊池寛父帰る」(1917)