もう、どうでもいいという、勇者に似つかわしくない投げやりな根性が、心の隅に巣食った。
太宰治走れメロス」(1940)
これならば完全だ、欠点がないという女は少ないものだと私は今やっと気がつきました。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(02 帚木)」(1914)
この世でこんなに人を喜ばせることのできる源氏は前世ですばらしい善業があったのであろう。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(07 紅葉賀)」(1914)
鹿の黄色な横っ腹なんぞに、二三発お見舞いしたら、ずいぶん痛快だろうねえ。
宮沢賢治注文の多い料理店」(1924)
私にもそうらしく思われて来ました。逃げて都へも行かれます。
森鷗外高瀬舟」(1916)
嘉十は本当に自分の耳を疑いました。
宮沢賢治やまなし」(1923)
私は思い返した。自分と彼等との間の、あの厭わしい溝は速くおおい埋めて、美しい花園をきっと栄えさせて見せる!
宮本百合子貧しき人々の群」(1916)
しかし、下人は雨がやんでも、特別どうしようという当てはない。
芥川龍之介羅生門」(1915)
回という人間は決して馬鹿ではないのだ。
下村湖人現代訳論語」(1949)
言葉を世間の読者に寄せる。君たちもたいてい蟹なんですよ。
芥川龍之介猿蟹合戦」(1923)
私は癖として都の話を聞くのが病でございます
泉鏡花高野聖」(1900)
一軒の山家の前へ来たのには、さまで難儀は感じなかった。
泉鏡花高野聖」(1900)