自分等の年頃の青年にしては変態になったのではないかしらんとも考えた。
岡本かの子老妓抄」(1938)
清い者は清く、濁れる者は濁ったままで暮して行くより他はない。
太宰治畜犬談」(1939)
よごれたる手をみる――ちゃうどこの頃の自分の心に対うがごとし。
石川啄木悲しき玩具」(0)
問題は、お前が、何んの為めにかうしているかつていうことだ。
岸田国士紙風船」(1925)
助けられたが不思議なくらい、嬢様別してのお情けだわ
泉鏡花高野聖」(1900)
つくづく自動車はいやだ。今日はすんでの事に殺されるところさ。
永井荷風濹東綺譚」(1937)
親から子と次第に人間の価値は落ちていきまして、子は親ほどだれからも尊敬されず、愛されもしないのだろう。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(29 行幸)」(1914)
音楽にこんなに心を奪われていても、彼は動物なのだろうか。
フランツ・カフカ変身」(0)
洪水のようにあふれて来たこの勢いを今は何者もはばみ止めることができない
島崎藤村破戒」(1906)
奥さん、あなたはどうして、この事件に、そんな深い興味をお持ちなんですか
江戸川乱歩黒蜥蜴」(1934)
生きた哲学は現実を理解し得るものでなくてはならぬ。
九鬼周造「いき」の構造」(1930)
昔が思い出されて、恋しいことが胸をいっぱいにして、帰って行く気になれない。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(29 行幸)」(1914)
努力は功の有無によって、これを敢えてすべきか否かを判断すべきものではない。
幸田露伴努力論」(1912)
そんなことをするくらいなら、私はもう死んだ方がましです。
宮沢賢治よだかの星」(1934)