それを受けた大理石のような白い美しい手はどこにも見つかりません。
有島武郎小さき者へ」(1918)
どんよりとくもれる空を見ていしに人を殺したくなりにけるかな
石川啄木一握の砂」(1910)
私は黙って俯向うつむいていた。何を言っても駄目だ。何も言うまいと心で誓った。
室生犀星幼年時代」(1919)
文明の事を行う者は私人の人民であり、その文明を護る者は政府だ
福沢諭吉学問のすすめ」(1872)
男一匹なる句は一種爽快なる感想を人に与える。
新渡戸稲造自警録」(1916)
誰でも絶えず努力しているものは、われ等が救うことが出来る。
ゲーテファウスト」(1808)
これが別れだよ。安寿は守本尊の地蔵様を大切にしておくれ。厨子王はお父様の下さった守り刀を大切にしておくれ。
森鷗外高瀬舟」(1916)
椅子の中の恋(!)それがまあ、どんなに不可思議な、陶酔的な魅力を持つか。
江戸川乱歩人間椅子」(1925)
この世はこんな不公平なものなのかと思って末摘花は恨めしく苦しく切なく一人で泣いてばかりいた。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(15 蓬生)」(1914)
うき身世にやがて消えなば尋ねても草の原をば訪はじとや思ふ
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(08 花宴)」(1914)
ええ。これまでじゃ。奥様、ご免下さいまし
森鷗外高瀬舟」(1916)
明治の木にはとうてい仁王は埋まっていないものだと悟った
夏目漱石夢十夜」(1908)