人はやゝもすれば努力の無效に終ることを訴へて嗟歎するもある。
幸田露伴努力論」(1912)
嘆き,共感努力が報われないと感じるとき
喜怨色に顕さず
福沢諭吉福翁自伝」(1899)
決意,冷静感情に振り回されず冷静さを保つことを決めたとき
良平はもう泣きたいのを我慢しながら、 一生懸命に走り続けた。
芥川龍之介トロッコ」(1922)
孤独泣きたいけど泣けないとき
旅僧が一人、汽車の中で私に話した事を、ここにそのまま書く。
泉鏡花高野聖」(1900)
好奇心誰かの不思議な体験談に引き込まれたとき
弟の喜三郎は病気で働けなくなって、兄に世話をかけているのが辛くて辛くてたまらなかったのだそうである。そこで兄の留守に剃刀(かみそり)を出して自分の咽(のど)を切ったのである。
森鷗外高瀬舟」(1916)
衝撃、悲しみ誰かの苦しみに気づけなかった自分を責めるとき
もしわれわれが文明国たるためには、血なまぐさい戦争の名誉によらなければならないとするならば、むしろいつまでも野蛮国に甘んじよう。
岡倉天心茶の本」(1906)
痛快「強さ」の意味を考えたいとき
私はお前たちに何を遺してやったらいいかを考えた。お前たちの生涯の伴侶として何が一番役に立つかを考えた。
有島武郎小さき者へ」(1918)
慈愛子どもに何を残せるか考えるとき
僕の可愛いナオミちゃん、僕はお前を愛しているばかりじゃない、ほんとうを云えばお前を崇拝しているのだよ。お前は僕の宝物だ、僕が自分で見つけ出して研きをかけたダイヤモンドだ。
谷崎潤一郎痴人の愛」(1924)
執着、支配欲、歪んだ愛情結婚を決めた直後に、ナオミに対して自らの感情を告白するとき
僕は、貴族です。
太宰治斜陽」(1947)
誇り,悲哀自分の人生を終える最後の瞬間
富士山、さやうなら、 お世話になりました。パチリ。
太宰治富嶽百景」(1939)
安らぎ何かに区切りをつけるとき
泣声を出す力さえなくなっているのでございましょう。
芥川龍之介蜘蛛の糸」(1918)
絶望, 虚無感人生で完全に打ちのめされたとき、心が折れたとき
我母は余を活きたる辞書となさんとし、我官長は余を活きたる法律となさんとやしけん。辞書たらむは猶ほ堪ふべけれど、法律たらんは忍ぶべからず。
森鷗外舞姫」(1890)
反発、自我への目覚め親や上司の期待に縛られ、自分の人生に疑問を持ち始めたとき
私はこの生命と生命との交渉、魂と魂との接触は宇宙における厳粛なる偉大なる事実に相違ないと思った。
倉田百三愛と認識との出発」(1921)
他者との出会い人間関係の意味を考えたいとき
うわべは極めて何気なさ相な、この人世の裏面に、どんなに意外な、陰惨な秘密が隠されているかということを、まざまざと見せつけられた様な気がします。
江戸川乱歩D坂の殺人事件」(1925)
恐怖世界の本質を疑うとき、人間関係の奥底に何があるかを考えるとき
そうだ、一度にひと身上いるんだ
ドストエフスキー罪と罰」(0)
怒りわずかな報酬では満足できず、人生を大きく変えたいという切迫した願いを抱いているとき
思い切って床屋へ行った。そのあくる日は日曜である。
夏目漱石三四郎」(1908)
決意、覚悟失恋から立ち直ろうと決めた時に
毎日毎日、失敗に失敗を重ねて、あか恥ばかりかいていたら、少しは重厚になるかも知れない。
太宰治女生徒」(1939)
自己嫌悪,皮肉自分の軽薄さに嫌気がさしたとき
どんな人間にだって、よしんばただのひとところだけでも、他人(ひと)からいたわってもらえるところがなくちゃなりませんからな!
ドストエフスキー罪と罰」(0)
切なさ自分の惨めさを認識しながらも、人間らしい尊厳を求めるとき
自己の所有している権力を使用しようと思うならば、それに附随している義務というものを心得なければならない
夏目漱石私の個人主義」(1914)
覚悟力を持ったとき、その使い方に悩むとき
これは恐ろしいディレンマです。ところがよく考えると自然はこのディレンマには全く負い目をもってはいないので、むしろこのディレンマは私達がその考察のなかに、黙って勝手に仮定をつくっていたことから起るのです。
アインシュタイン相対性理論」(1916)
発想の転換解決不能に見える問題に直面したとき