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表の大通りには往来が絶えない。声高に話し合って、カラカラと日和下駄を引きずって行くのや、酒に酔って流行唄をどなって行くのや、至極天下泰平なことだ。そして、障子一重の家の中には、一人の女が惨殺されて横わっている。何という皮肉だ。
江戸川乱歩「D坂の殺人事件」(1925)
無常感、虚無感
日常と非日常の境界に直面したとき、世界の不条理を感じたいとき
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人は一つの葦に過ぎない。その性質に於て最も弱い葦だ。しかし彼は考へる葦だ。
パスカル「パスカルの言葉」(1943)
誇り
自分の無力さを感じて落ち込んだとき
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遠い外国で便り少い独りぽっちとなって一時は随分困ったろうと思われます。
小泉節子「思い出の記」(1908)
孤独, 切なさ
誰かが不安や孤独を感じているときに
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喧嘩ばかりしていた。 しかし喧嘩のできる相手こそが、 本当の連れ合いなのだと 蝶子は知っていた。
織田作之助「夫婦善哉」(1940)
理解
大切な人とぶつかってしまうとき
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蠅は最も高い馬の耳の上に止まって、眼の下に落ちてゆく世界をじっと見おろしていた。
横光利一「蠅」(1923)
静寂、超越
世界が崩壊する瞬間を、外から眺めるしかないとき
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富士には、月見草がよく似合ふ。
太宰治「富嶽百景」(1939)
決意
小さなものの中に美しさを見つけたとき
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弟の喜三郎は病気で働けなくなって、兄に世話をかけているのが辛くて辛くてたまらなかったのだそうである。そこで兄の留守に剃刀(かみそり)を出して自分の咽(のど)を切ったのである。
森鷗外「高瀬舟」(1916)
衝撃、悲しみ
誰かの苦しみに気づけなかった自分を責めるとき
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己の珠に非ざることを 惧れるが故に、 敢て刻苦して磨こうともせず
中島敦「山月記」(1942)
後悔
努力から逃げてしまったとき
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嗚呼、いかにしてか此恨を銷せむ。
森鷗外「舞姫」(1890)
切なさ、悲しみ、苦悩
心に深く刻み込まれた消せない苦しみに直面したとき
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好奇心は虚榮に過ぎない。私達は何かの話が出來るといふだけのことで、ある一つの事を知らうと思ふことが、よく有る。
パスカル「パスカルの言葉」(1943)
自省
SNSで「知ったかぶり」をしてしまったとき
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二人は泣いて泣いて泣いて泣いて泣きました。
宮沢賢治「山越え」(1921)
絶望, 悲しみ, 無力感
もう何もできないことを悟ったとき
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人間てものあ体(てい)の善(い)い泥棒だぜ
夏目漱石「吾輩は猫である」(1905)
怒り, 不公正への抗議, 無力感
労働搾取や不正義に怒りを感じたとき
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国の言葉はその国に事物の繁多なる割合に従いて、しだいに増加し、毫(ごう)も不自由なきはずのものなり。何はさておき今の日本人は今の日本語を巧みに用いて弁舌の上達せんことを勉むべきなり。
福沢諭吉「学問のすすめ」(1872)
決意
自分の母語に自信が持てないとき、外国語に逃げたくなるとき
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人間を愛し得る人、愛せずにはいられない人、それでいて自分の懐に入ろうとするものを、手をひろげて抱き締める事のできない人、――これが先生であった。
夏目漱石「こころ」(1914)
切なさ、矛盾への驚き
先生という人物の本質を理解したいとき
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ミンナニデクノボートヨバレ ホメラレモセズ クニモサレズ
宮沢賢治「雨ニモマケズ」(0)
孤独, 悲しみ, 自己否定
自分の存在を誰からも認められていないと感じるとき
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哲学は現実に就いて考えるのでなく、現実の中から考えるのである。
三木清「哲学入門」(1940)
目が覚める
頭でっかちになっているとき
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そしてそれが花の精かも知れないと怖れることだけは忘れませんでした。
坂口安吾「桜の森の満開の下」(1947)
畏怖、本能的恐怖
美しいものの正体を疑うとき
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お日さん、お日さん。 どうぞ私をあなたの処へ 連れてって下さい。 灼けて死んでもかまいません。
宮沢賢治「よだかの星」(1934)
祈り
どこかに逃げたいとき
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外には、ただ、 黒洞々たる夜が あるばかりである。
芥川龍之介「羅生門」(1915)
虚無
すべてが終わったあとに
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三四郎は往来のまん中でまっ赤になってうつむいた。
夏目漱石「三四郎」(1908)
恥辱, 怒り, 屈辱
自分に対する美禰子の言動を後になって悪く解釈し、愚弄されたことに気づいたとき
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