❝
いや、賊自身でも、ほんとうの顔を忘れてしまっているのかもしれません。
江戸川乱歩「怪人二十面相」(1936)
❝
人生とはこんなに寂しいものだったのだと源氏は思った。
紫式部(与謝野晶子訳)「源氏物語(12 須磨)」(1914)
❝
ゼラール中尉には、不思議なことに友人が一人もできなかったのである。
菊池寛「形」(1920)
❝
洪水のようにあふれて来たこの勢いを今は何者もはばみ止めることができない
島崎藤村「破戒」(1906)
❝
どうです? 一つとりませんか? これも職工の肉ですがね。
芥川龍之介「河童」(0)
❝
お前と首と、どっちか一つを選ばなければならないなら、私は首を諦めるよ
坂口安吾「桜の森の満開の下」(1947)
❝
迷える子(ストレイ・シープ)——わかって?
夏目漱石「三四郎」(1908)
❝
もはや期年のうちに成就すべき大願を見果てずして死ぬことが、やや悲しまれた
菊池寛「恩讐の彼方に」(1919)
❝
短い人生もああした人といっしょにいれば長生きができるだろう。
紫式部(与謝野晶子訳)「源氏物語(28 野分)」(1914)
❝
しかしそう考えた私はついに一種の淋しさを脱却する訳に行かなかったのです。
夏目漱石「私の個人主義」(1914)
❝
私は恋というものを(たびたび申し上げたように)あまり好ましく思わないようになっているのです。
倉田百三「愛と認識との出発」(1921)
❝
俺は総領で家督をしているが、どうかして難しい家の養子になってみたい。
福沢諭吉「福翁自伝」(1899)