愛情が新しく湧いてくるようなことは少しもなかった。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(06 末摘花)」(1914)
哀愁期待と現実のギャップに直面したとき
言語は通じなくてもよい。
森鷗外最後の一句」(1915)
静寂言葉を超えた理解に気づいたとき
こいつはどうだ、やっぱり世の中はうまくできているねえ。
宮沢賢治注文の多い料理店」(1924)
皮肉都合の良い解釈で現実を見誤っているとき
美は常に、無限に変わりつつあるといえる。
中井正一美学入門」(1941)
無常変化の時代に立ち向かうとき
人間は恋と革命のために生まれて来たのだ。
太宰治斜陽」(1947)
決意人生の意味を問われたとき
この上にいっそう苦痛を加えるだけだと思って、御息所はしいて冷ややかになっているのだ。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(10 榊)」(1914)
孤独愛する人との距離を置かざるを得ないとき
「私は本当に、このおかしくなったような、男の度を越したヒステリーともいうべき発作に悩まされました」
谷崎潤一郎痴人の愛」(1924)
狂気恋に狂うとき
妙な偶然ですね。ちょうどその事を話していた時に、こんな報道に接するとは
江戸川乱歩D坂の殺人事件」(1925)
運命的驚嘆完璧なタイミングの一致に遭遇したとき
別るとてはるかに言いしひと言もかえりて物は今ぞ悲しき
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(17 絵合)」(1914)
哀愁昔の約束や言葉を思い出して切なくなるとき
何人男を代えてもつづまるところ、たった一人の男を求めているに過ぎないのだね。
岡本かの子老妓抄」(1938)
哀愁恋愛を重ねているのに満たされないとき
こんなよい月を一人で見て寝る
尾崎放哉尾崎放哉選句集」(1926)
切なさ美しい夜に誰かと一緒にいたいとき
このごろはモルヒネを飲んでから写生をやるのが何よりの楽しみとなっている。
正岡子規病床六尺」(1902)
切実痛みと闘いながら創作するとき
ハハハ……、二十面相は童話の中の魔法使いです。だれにでもできないことを、実行してみせるのです。
江戸川乱歩怪人二十面相」(1936)
狂気不可能を可能にする力を誇示するとき
貧にしてへつらわず富んで驕らないというのが、その極致で。
下村湖人論語物語」(1938)
自信自分の生き方を誇りたいとき
おれは、割に合わないなあ。
新美南吉牛をつないだ椿の木」(1943)
皮肉善意が理解されずもどかしいとき
男つていうものは、家にいることを、どうしてさう恩に着せるんでしょう。
岸田国士紙風船」(1925)
皮肉パートナーの行動パターンに疑問を感じたとき
神さまは万人を裁いて、万人を許される
ドストエフスキー罪と罰」(0)
希望最後の救いを求めるとき
僕たちに父親てておやがあるわけはない。そんなものがあるもんか。
菊池寛父帰る」(1917)
怒り家族の絆について考えるとき
夜になると毎晩家うちの前で立っていたんじゃが、敷居が高うて入れなかった
菊池寛父帰る」(1917)
切なさ帰る場所があるのに帰れないとき
どんなに私は悲しかっただろう
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(14 澪標)」(1914)
孤独大切な人が他の人に心を向けていることを知ったとき