自分は前世にどんな重い罪障があってこの苦しみに堪えなければならないのだろう。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(22 玉鬘)」(1914)
年寄の女に向って年齢のことを気遣うのなども、もう皮肉に気持ちがこずんで来た証拠だね
岡本かの子老妓抄」(1938)
死んだ気で生きていこうと決心しました。
夏目漱石こころ」(1914)
私は、お前方から指一本指される身じゃあない。
宮本百合子貧しき人々の群」(1916)
私たち、これから本当に生きられるだけ生きましょうね……
堀辰雄風立ちぬ」(1938)
本当に私は、どれが本当の自分だか分からない。
太宰治女生徒」(1939)
親から子と次第に人間の価値は落ちていきまして、子は親ほどだれからも尊敬されず、愛されもしないのだろう。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(29 行幸)」(1914)
天命は天命のままに受け取って、静かに忍従するところに道がある。
下村湖人論語物語」(1938)
貧にしてへつらわず富んで驕らないというのが、その極致で。
下村湖人論語物語」(1938)
やあ、ダーク・エンジェルだ。ダーク・エンジェルだ
江戸川乱歩黒蜥蜴」(1934)
人間の住居というよりも、むしろ何かの巣といった方が、よほど適当している。
宮本百合子貧しき人々の群」(1916)
どんよりとくもれる空を見ていしに人を殺したくなりにけるかな
石川啄木一握の砂」(1910)
福を惜しむ人が必ずしも福に遭うとは限るまいが、何様も惜福の工夫と福との間には関係の除き去るべからざるものがある。
幸田露伴努力論」(1912)
それを受けた大理石のような白い美しい手はどこにも見つかりません。
有島武郎小さき者へ」(1918)
真の貴族は、あんな岩島みたいな下手な気取り方なんか、しやしないよ。
太宰治斜陽」(1947)
のたれ死するには家うちは要らんからのう……
菊池寛父帰る」(1917)
半年以上もすれば梅の花が咲いて来る。果して病人の眼中に梅の花が咲くであろうか。
正岡子規病床六尺」(1902)