人生は元来そうしたものなのですよ。無常の世なのだから。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(33 藤のうら葉)」(1914)
無常人生の変転を感じたとき
しかしそれは嘘である。
芥川龍之介猿蟹合戦」(1923)
皮肉美談に騙されそうになったとき
半身は砂のなかにうもれていて、それで居てべろべろ舌を出している。
萩原朔太郎月に吠える」(1917)
嫌悪現実の汚さに気づいたとき
前にはあのようにあからさまには笑わなかった。
芥川龍之介」(1916)
困惑期待していた変化が裏目に出たとき
あやふやな後宮の地位を与えられているようなことは、女として幸福なことではないのだ。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(31 真木柱)」(1914)
覚悟人生の選択に迷うとき
「いき」は恋の束縛に超越した自由なる浮気心でなければならぬ。
九鬼周造「いき」の構造」(1930)
静寂日本文化の本質を理解したいとき
一夜のうちに姉の姿は消えて、そこに一本の柳となっていたのです。
小川未明赤い船」(1922)
哀愁失ったものの大きさを実感するとき
着手の処、着手の処と尋ねなければならぬ。
幸田露伴努力論」(1912)
焦燥何から始めればいいかわからず立ち止まっているとき
そしたら、母ちゃんは、びっこを引いてゆっくり行きましょう
新美南吉」(1943)
慈愛無条件の愛を感じたいとき
自分の体もまた一つの大自然であり、山あり川あり、無限の喜びと悲しみを持っている大きな天地ではないだろうか。
中井正一美学入門」(1941)
畏怖自分という存在の神秘に気づくとき
麻酔薬はうわ言を言うと申すから、それが怖くてなりません。
泉鏡花外科室」(1895)
恐怖秘密を抱えて生きているとき
すべてのことは昔より悪くなっていく末世でも、仮名の字だけは近頃の方がよくなった。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(32 梅が枝)」(1914)
希望時代の変化に悲観的になったとき
軍隊を歓迎する前にまず自分を歓迎したいのである。
夏目漱石吾輩は猫である」(1905)
諦観社会の義務と個人の事情が対立するとき
そんな醜い容貌を持ちながら、胸の中では、人知れず、世にも激しい情熱を、燃やしていたのでございます。
江戸川乱歩人間椅子」(1925)
切なさ見た目と内面のギャップに苦しむとき
子供よりも親が大事。
太宰治魚服記」(1933)
虚勢自分を守るために強がりたいとき
僕の魂のアフリカはどこまでもぼうぼうと広がっている。
芥川龍之介或阿呆の一生」(1927)
畏怖自分の内面の深さを恐れるとき
そういうお前であるのなら、私はお前がもっともっと好きになるだろう。
堀辰雄風立ちぬ」(1938)
慈愛愛する人の弱さを愛おしく思うとき
これは、まるで、風呂屋のペンキ画だ。
太宰治富嶽百景」(1939)
皮肉完璧すぎるものに違和感を覚えたとき
こうして変わらない愛をかける源氏に真心から信頼している様子に同情がされた。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(23 初音)」(1914)
慈愛相手の欠点を受け入れるとき
私だって昔は浅草の父の屋台で、客あしらいは決して下手ではなかったのだから。
太宰治ヴィヨンの妻」(1947)
決意過去の経験を頼りに新たな挑戦に臨むとき