ただそこに、晴々した精進の心があるばかりであった。
菊池寛恩讐の彼方に」(1919)
私は生まれて五十年、人の金を一銭でも借りたことはない
福沢諭吉福翁自伝」(1899)
これがおばあさまか、これがお父さんか、お母さんかと驚くほどにみんな変わっていた。
有島武郎生れ出づる悩み」(1918)
では、俺が引き剥ぎをしようと恨むまいな。俺もそうしなければ、餓死する体なのだ。
芥川龍之介羅生門」(1915)
注文はずいぶん多いでしょうがどうか一々耐えて下さい。
宮沢賢治山越え」(1921)
この世はこんな不公平なものなのかと思って末摘花は恨めしく苦しく切なく一人で泣いてばかりいた。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(15 蓬生)」(1914)
まるで蚕に食われている桑の葉のように、俺たちの身体が殺されているんだ
小林多喜二蟹工船」(1929)
うき身世にやがて消えなば尋ねても草の原をば訪はじとや思ふ
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(08 花宴)」(1914)
私は恥じます。これからは一回一円ずつ払いなさい。
小泉節子思い出の記」(1908)
垢抜して(諦)、張のある(意気地)、色っぽさ(媚態)
九鬼周造「いき」の構造」(1930)
清い者は清く、濁れる者は濁ったままで暮して行くより他はない。
太宰治畜犬談」(1939)