母は私にも別れの言葉もいうひまもなかったのか、それきり私は会えなかった。
室生犀星幼年時代」(1919)
哀愁大切な人を突然失ったとき
侍はそれを舟のへりに乗せ、刀でぱちんと二つに割りました。
新美南吉飴だま」(1943)
驚き予想外の優しさに出会ったとき
青春は短い。宝石のごとくにしてそれを惜しめ。
倉田百三愛と認識との出発」(1921)
郷愁青春時代を振り返り、若い人にエールを送るとき
半身は砂のなかにうもれていて、それで居てべろべろ舌を出している。
萩原朔太郎月に吠える」(1917)
嫌悪現実の汚さに気づいたとき
私が疑うということから私は有るということが帰結する。
デカルト省察」(1641)
洞察論理的思考の力を実感したいとき
私は議論をして、勝ったためしがない。
太宰治魚服記」(1933)
劣等感自分の弱さを認めるとき
実に言葉にも尽くされないほどの辛労と艱難とを忍び、共に共に武家の奉公を耐え続けた
島崎藤村破戒」(1906)
哀愁長年の苦労を振り返ったとき
私のために門閥制度は親の敵でございる。
福沢諭吉福翁自伝」(1899)
憤怒父の無念を想う時
えらい駆け落ちをしてしまったという悔いが一瞬あった。
織田作之助夫婦善哉」(1940)
後悔取り返しのつかないことをしたと気づいたとき
わたしはくちびるにべにをぬって、あたらしい白樺の幹に接吻した。
萩原朔太郎月に吠える」(1917)
切なさ誰かを愛したくて仕方ないとき
芸術をもてあの灰色の労働を燃せ
宮沢賢治農民芸術概論綱要」(1926)
希望毎日の単調な仕事に疲れ切ったとき
ほんとうに長く同じであるものは悲しい目を見ます
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(20 朝顔)」(1914)
諦観長年連れ添った関係に不安を感じるとき
つながれない船は浮き歩くということになるじゃありませんか。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(02 帚木)」(1914)
警告パートナーとの関係で自由を与えすぎて不安なとき
年が行ってしまうと恥ずかしい目にあうものです。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(20 朝顔)」(1914)
羞恥年齢にそぐわない行動をして後悔するとき
ああ、なんという骨の折れる職業をおれは選んでしまったんだろう。
フランツ・カフカ変身」(0)
後悔自分の人生選択を振り返るとき
鹿の黄色い横っ腹なんかに、二三発お見舞いしたら、ずいぶん痛快だろうねえ。
宮沢賢治山越え」(1921)
狂気傲慢になっているとき
もし、僕が、本当に狐になっちゃったらどうする?
新美南吉」(1943)
不安自分の存在について深く悩んだとき
ほいと!ほいと!ほいとおーっ!
宮本百合子貧しき人々の群」(1916)
屈辱差別的な言葉を浴びせられたとき
真の貴族は、あんな岩島みたいな下手な気取り方なんか、しやしないよ。
太宰治斜陽」(1947)
誇り偽物と本物を見分けたいとき
私は母の手紙の言葉をここで繰り返すことに耐えられない。涙が流れ込んできて、筆を持つ手の動きが止まるからだ。
森鷗外舞姫」(1890)
悲しみ大切な人を失ったとき