足あり、仁王の足の如し。足あり、他人の足の如し。
正岡子規病床六尺」(1902)
異常病気で体の感覚が麻痺しているとき
傑出した人の行動は目に立ちやすくて気の毒だ。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(10 榊)」(1914)
同情世間の注目を浴びて生きる辛さを感じるとき
どうも鬼というものの執念の深いのには困ったものだ。
芥川龍之介桃太郎」(1924)
困惑自分の行いの結果に悩まされているとき
私は生涯にまたとあるまじき重要な地位に立っているのだから。
倉田百三愛と認識との出発」(1921)
覚悟人生の重大な転機に立ったとき
「あたしの恐ろしいことが分ったか」
谷崎潤一郎痴人の愛」(1924)
支配力関係が逆転するとき
あの白熊のような犬が二匹、扉を突き破って室の中に飛び込んできました。
宮沢賢治注文の多い料理店」(1924)
希望絶望的な状況から救われるとき
どこがそんなに自分を惹きつけるのだろうと不思議でならなかった。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(04 夕顔)」(1914)
孤独愛されているはずなのに相手の本心がわからず不安なとき
狂つた智恵子は口をきかない ただ尾長や千鳥と相図する
高村光太郎智恵子抄」(1941)
悲しみ愛する人の心の病と向き合うとき
人間は、二つの魂の誕生を持っているといえよう。
中井正一美学入門」(1941)
覚悟人生の真実に直面するとき
下人の行方は、誰も知らない。
芥川龍之介羅生門」(1915)
無常全てが終わった後の静寂を感じるとき
おれたちは、これで、うまく行ってる方じゃないかなあ。
岸田国士紙風船」(1925)
迷い関係の良し悪しを客観視しようとしたとき
「いき」は恋の束縛に超越した自由なる浮気心でなければならぬ。
九鬼周造「いき」の構造」(1930)
自由恋愛に縛られすぎていると感じるとき
じゃ、いいことを教えて上げるわ。水道の水を頭からザッと浴びるといいわ
谷崎潤一郎痴人の愛」(1924)
冷酷相手の苦悩を嘲笑うとき
永遠の驚きをもって自然をのぞいている。
森鷗外最後の一句」(1915)
畏怖世界の美しさに圧倒されたとき
こうして変わらない愛をかける源氏に真心から信頼している様子に同情がされた。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(23 初音)」(1914)
慈愛相手の欠点を受け入れるとき
このようにして、私の情熱は、日々に激しく燃えて行くのでした。
江戸川乱歩人間椅子」(1925)
恋慕叶わぬ恋に苦しむとき
私、豊太郎、お前はここまで俺をだましたのか。
森鷗外舞姫」(1890)
絶望愛する人に裏切られたとき
ぬすつと犬めが、くさった波止場の月に吠えている。
萩原朔太郎月に吠える」(1917)
絶望人生に裏切られたような気持ちになったとき
見渡せば花ももみじもなかりけり浦のとまやの秋の夕暮れ
岡倉天心茶の本」(1906)
静寂華やかな装飾に疲れて、素朴な美を求めたいとき
私は寂しい人間です。
夏目漱石こころ」(1914)
孤独自分の本質を見つめるとき