ただ生死の別れだけが私たちを引き離すものだと思います。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(23 初音)」(1914)
武蔵野を除いて日本にこのような所がどこにあるか。
国木田独歩武蔵野」(1898)
人間の多くは金銭においてではないが、うららかな時間と夏の日において富んでいる。
ソロー森の生活」(1854)
ああ、このような経験を、私はこれまで、何百回、何千回、くりかえしたことか。
太宰治」(1947)
人間は永遠に堕ち抜くことはできないだろう。なぜなら人間の心は苦難に対して鋼鉄のようではありえない。
坂口安吾堕落論」(1947)
結局のところ人間の享楽の器は、実に狭いものではないか。実に早く涙であふれるではないか。
岡倉天心茶の本」(1906)
血という奴はとにかく特別な汁ですからね。
ゲーテファウスト」(1808)
清い者は清く、濁れる者は濁ったままで暮して行くより他はない。
太宰治畜犬談」(1939)
私はそういうものを身近に見て、素直に死にたいと思う。
岡本かの子老妓抄」(1938)
「あんなものを熱心に見物する女はみんな間違っている」
夏目漱石三四郎」(1908)
現実の世界が全く身に合わなく思われてくる。
梶井基次郎Kの昇天」(1926)
我々人間は正義とか人道とかいうことを真面目に思う、しかし河童はそんなことを聞くと、腹をかかえて笑い出すのです。
芥川龍之介河童」(0)
おれたちは、これで、うまく行ってる方じゃないかなあ。
岸田国士紙風船」(1925)
椅子の中の恋(!)それがまあ、どんなに不可思議な、陶酔的な魅力を持つか。
江戸川乱歩人間椅子」(1925)