「厨子王」という叫びが女の口から出た。二人はぴったり抱き合った。
森鷗外高瀬舟」(1916)
おれは今、やつらの悪霊に招きよせられて、黄泉の国の闇をさまよっているのではないかしら。
江戸川乱歩黒蜥蜴」(1934)
よごれたる手をみる――ちゃうどこの頃の自分の心に対うがごとし。
石川啄木悲しき玩具」(0)
お前はもう帰れ。俺たちは今日は向こう泊まりだから。
芥川龍之介トロッコ」(1922)
本当に必要なものは実はごくわずかなのだ。
ソロー森の生活」(1854)
あなたの多情さを辛抱して、よい夫になってくださるのを待つことは堪えられない。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(02 帚木)」(1914)
せねば、餓死をするのじゃて、仕方がなくした事であろ。
芥川龍之介羅生門」(1915)
自分で自分の馬鹿を承知しているほど尊く見えることはない。
夏目漱石吾輩は猫である」(1905)
俺はお前を本当の美しい女にするために、刺青の中へ俺の魂を打ち込んだのだ。
谷崎潤一郎刺青」(1910)
他の人の行くことを嫌うところへ行け。他の人の嫌がることをなせ
内村鑑三後世への最大遺物」(1897)