そしたら、母ちゃんは、びっこを引いてゆっくり行きましょう
新美南吉」(1943)
私だって昔は浅草の父の屋台で、客あしらいは決して下手ではなかったのだから。
太宰治ヴィヨンの妻」(1947)
人間は自分が恐ろしい悪党であるという事実を徹底的に感じた者でないと、苦労人とは言えない
夏目漱石吾輩は猫である」(1905)
暗黒街の女王のこの人気は、一体どこから湧いて出たのか。
江戸川乱歩黒蜥蜴」(1934)
男には、不幸だけがあるんです。いつも恐怖と、戦ってばかりいるのです。
太宰治ヴィヨンの妻」(1947)
内供はなまじっか鼻が短くなったのが、かえって恨めしくなった。
芥川龍之介」(1916)
母は私にも別れの言葉もいうひまもなかったのか、それきり私は会えなかった。
室生犀星幼年時代」(1919)
犀でもなく虎でもなく、あの荒れ野をさまよっている。
下村湖人論語物語」(1938)
一円九十銭の日当の中から、日に、五十銭の米を二升食われて、九十銭で着たり、住んだり、べらぼうめ!
葉山嘉樹セメント樽の中の手紙」(1926)
言葉を世間の読者に寄せる。君たちもたいてい蟹なんですよ。
芥川龍之介猿蟹合戦」(1923)
どうか私をあなたの所へ連れて行って下さい。焼けて死んでもかまいません。
宮沢賢治よだかの星」(1934)
流転の相はこの通りだ。昼となく夜となく流れてやまない。
下村湖人現代訳論語」(1949)
壮二君は今、拙宅の冷たい地下室に閉じこめられて、暗闇の中でシクシク泣いております。
江戸川乱歩怪人二十面相」(1936)
そりゃもう、僕にくらべたら、どんな男でも、あほらしく見えるんだからね。
太宰治」(1947)
母ちゃん、目に何か刺さった。抜いて、早く早く
新美南吉手袋を買いに」(1943)