天命を知らないでは君子たる資格がない。
下村湖人現代訳論語」(1949)
厳格,覚悟人生の指針を見つけようとするとき
紀昌は的を見ることと瞬きをしないこととを学んだ。それだけの修行に三年かかった。
中島敦名人伝」(1942)
驚愕、敬意地道な努力の価値を確認したいとき
おれは無論いい加減に聞いていたが、途中からこれは飛んだ所へ来たと思った。
夏目漱石坊っちゃん」(1906)
後悔、絶望校長の長い説教を聞いて、自分の人生の選択を後悔したとき
書物にあることは前述のごとく抽象的であるから、未熟の頭脳には入りにくい。たまたま入れば自分を省みるより他人を責むる道具となる。
新渡戸稲造自警録」(1916)
ドキッ本を読んで賢くなった気になっているとき
檸檬の冷たさは たとえようもなくよかった。
梶井基次郎檸檬」(1925)
安堵ふとした瞬間に救われたとき
芸術は長く、人生は短い。 しかし人生なくして 芸術はあり得ない。
有島武郎生れ出づる悩み」(1918)
覚悟限られた時間の中で何かを成し遂げたいとき
いま、いま、いま、と 指でおさえているうちにも、 いま、は遠くへ飛び去って、 あたらしい「いま」が来ている。
太宰治女生徒」(1939)
孤独時間が過ぎるのが怖いとき
小字(こあざ)よりさらに小さき区域の地名は持主にあらざればこれを知らず。
柳田国男遠野物語」(1910)
孤独, 疎外感自分の居場所や認識の限界に気付いたとき
我々の精神は有限で、神はしかし理解を超え無限であると考えねばならぬことを忘れない限り。
デカルト省察」(1641)
敬畏,限界認識自分の認識力の限界に直面するとき
銀河ステーション、銀河ステーションと言う声がしたと思うと、いきなり眼の前が、ぱっと明るくなって。
宮沢賢治銀河鉄道の夜」(1934)
驚き,神秘現実から幻想の世界に引き込まれるとき
人間は、二つの魂の誕生をもっているといえよう。世界がこんなに美しく、世の中がこんなに面白いものかと驚嘆する時がある。これが第一の誕生である。そしていつか、それとまったく反対に、人間がこんなに愚劣であったのか、また自分も、こんなに下らないものだったのかと驚嘆し、驚きはてる時がある。これが第二の、魂の誕生なのである。
中井正一美学入門」(1941)
魂の成長人生の残酷さや矛盾に直面したとき
自己の個性の発展を仕遂げようと思うならば、同時に他人の個性も尊重しなければならない
夏目漱石私の個人主義」(1914)
納得自分の自由と他者の自由の折り合いに悩むとき
俺達には、俺達しか、味方が無(ね)えんだな。始めて分った
小林多喜二蟹工船」(1929)
絶望、覚醒、決意権力の裏切りを目の当たりにしたとき
友達として清く附き合うのと、誘惑されて又ヒドイ目に遭わされるのと、孰方(どっち)がよくって?―――あたし今夜は譲治さんを脅迫するのよ
谷崎潤一郎痴人の愛」(1924)
誘惑, 支配欲, 悪意の喜び相手が自分に逆らおうとするとき
疑い、理解し、肯定し、否定し、欲し、欲せぬ、なおまた想像し、感覚するものである。
デカルト省察」(1641)
思考の豊かさ人間の心の複雑さに向き合いたいとき
熊本より東京は広い。東京より日本は広い。日本より頭の中のほうが広いでしょう。とらわれちゃだめだ。
夏目漱石三四郎」(1908)
解放感、目覚め、衝撃既成概念や国家的な圧力に縛られていた自分の殻を破りたいとき
蓮華寺では下宿を兼ねた。
島崎藤村破戒」(1906)
静寂新しい場所で生活を始めるとき
鏡に対(むか)うときのみ、わが頭の白きを喞(かこ)つものは幸の部に属する人である。
夏目漱石草枕」(1906)
感動, 悟り人生の本質を理解したいとき、老人の価値を認めたいとき
恩恵を施すのに費用をかけない。
下村湖人現代訳論語」(1949)
驚き,知恵リーダーとして人を助けたいと思うとき
自己の所有している権力を使用しようと思うならば、それに附随している義務というものを心得なければならない
夏目漱石私の個人主義」(1914)
覚悟力を持ったとき、その使い方に悩むとき